2013年09月12日

アジアの新しいガス・グリッド構築へ様々な連携不可欠

10日に開かれた「第2回LNG産消会議」は、前回に続いて生産国と消費国が共通のプラットフォームで対話する有意義な機会となった。会議では消費国同士、さらには生産者と消費者間でのパートナーシップの重要性が改めて認識された。様々な形でのパートナーシップ強化こそが、日本を含むアジア・プレミアムの問題や供給者側のコスト負担の解決策、さらには将来のアジアの新しいガス・グリッド構築に向けて重要な鍵を握るのだろう。

茂木経産相は米国のシェールガス革命の影響に対して「LNGのアジアへの流れが視野に入った」との見方を示した。バイヤーである日本にとって米国産LNGの輸入は供給源の選択肢が増え、コスト競争力の面でもメリットが大きい。ただ、“エネルギー・ルネサンス”に沸く供給側の米国やカナダは、まだ自国の国内市場向けにも完全な供給体制が整ってはいない。アジアなどへの国外輸出にも最終的な政治判断が絡むなどやや不透明さも残る。カタール国エネルギー相のアル・サダ氏は「ガス価格は米国・欧州・アジアの地域ごとに分断され、今後も続くだろう」と見通しを述べた。

現在のLNG市場は消費国と生産国双方にとって多くの課題が残る。中でも消費国にとっては、原油価格に連動した高価格の“アジア・プレミアム”は「受け入れ難いレベル」(モイリー石油・天然ガス相/インド)で存在する。スポット取引も現在あるが、長期契約より割高でボラティリティ(価格変動)のリスクも高いのが現状だ。一方、生産国側にも課題は残る。LNGプロジェクト自体が資本集約型のため、巨額のコストがかかるというリスクだ。

今回の会議ではこうした課題の打開策として消費国間でアジア・プレミアム解決に向けた「国際LNG共同研究会」の設立など新たな連携の形が提示された。また、アジアの国家間をまたいだパイプライン整備も含め、“パイプラインとLNGによる理想的な「アジアの新しいガス・グリッド」”が必要だという将来像が示されている。その一方で、生産国と消費国との間でリスクシェアリングの重要性を問う意見もあった。消費側も応分のリスク負担が避けられないとする考えだ。これに対して消費国はエネルギー供給源の多様化だけでなく、契約の多様化も必要だと応えた。例えば、小型あるいは短期契約によるリスク分散など「契約のポートフォリオ化でリスクを分散する」(リー・セン・ウェイ氏/シンガポール・エネルギー市場監督庁)という例などが引き合いに出されている。

消費国と生産国との間でどのような対話、解決策が議論の俎上に挙がるのかが注目された今回の産消会議。出席した各国のパネリストの意見の多くは、消費国同士、さらには生産国と消費国とのパートナーシップ強化の重要性を認識することで大方の一致を見た。だが、少しでも高く売りたい生産国と少しでも安く調達したい消費国との間で埋めなければならない溝はまだまだ深い。産消双方にとってWin-Winの関係となるような着地点を早期に見出すことが望まれる。

(櫻田光治)





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posted by 鈴木零号 at 15:36 | Comment(0) | TrackBack(0) | 特集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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