2010年05月14日

東ガス・大ガス、スマートエネルギー実証乗り出す

東京ガスと大阪ガスは、電気だけでなく、熱も有効利用できるという「スマートエネルギーネットワーク」の実証事業を今月から共同で開始する。経済産業省「分散型エネルギー複合最適化実証事業」に今日5月14日に採択されたもので、分散型エネルギーシステムに再生可能エネルギー、未利用エネルギーを大幅に導入し、情報通信技術を駆使してエネルギー需給を最適に制御する。両社は同事業で3割以上のCO2削減を見込んでおり、詳細設計後に実証事業を開始し、データの取得・解析はじめ、システム改良を進めていく。

両社が取り組む実証事業はそれぞれ性格が異なる。東京ガスは東京都荒川区の特定エリアで進めるのに対し、大阪ガスは大阪近県の広域にわたり融通する。前者をシステムA、後者をシステムBと名付け、それぞれが担当。太陽光発電などは天候などに左右されやすいため、出力が安定しない。これを補完するのがコージェネレーションシステムであり、同事業の要となっている。蓄電設備容量を低減できるし、現実的で実効性の高いシステムと思われる。


(出所:以下大阪ガス)


東京ガスのシステムAは、「東京ガス千住テクノステーション」(東京都荒川区)に設置する高効率コージェネ、太陽熱集熱装置、太陽光発電装置から供給される電力・熱を、敷地内の複数の建物間で融通。荒川区が事業協力し、区道を横断して敷設する熱導管を通じて荒川区立特別養護老人ホームに熱を融通する。主要機器は、コージェネが300kWと700kWを1台ずつ、太陽光発電装置が約90kW、2カ所に分散する太陽熱集熱装置が約300m2とのこと。




大阪ガスの「システムB」は、既存の地域冷暖房施設「岩崎エネルギーセンター」(大阪府大阪市)に加え、4カ所程度に設置する太陽光発電装置(兵庫県加古川市、滋賀県湖南市など)、5件程度の大阪ガス顧客のコージェネを繋ぎ、電力融通することを想定し、最適化制御を実現する遠隔監視制御システムを構築するという。主要機器は、岩崎エネルギーセンターコージェネが175kW(35kW×5台)、大阪ガス顧客のコージェネが800kW規模を5台、4カ所程度に分散する太陽光発電装置が180kW、太陽集熱装置が100m2とのこと。






東京ガスと大阪ガスの両社は、2010年4月に経済産業省が設立した「スマートコミュニティ・アライアンス」に参画、スマートコミュニティの推進に積極的に取り組んでおり、同省の「次世代エネルギー・社会システム実証事業」にも参画。ガス業界に対する国のエネルギー政策は好意的である。
一方、両社はおそらく天然ガスコージェネの設置を想定していると思われるが、防災やエネルギーの安全保障という点で、石油やLPガスの優位性を忘れてもらっては困る。阪神・淡路や中越地震でインフラが崩壊する様をまざまざと見せられてきた訳だから、コージェネの燃料源が天然ガスだけではかなり勿体ない。パイプラインは復旧するまでに時間がかかる。石油のノーブル・ユースに縛られることなく、エネルギーリスクを分散し、国民に安全で安心な暮らしを提供できるよう、エネルギーのベスト・ミックスを実現してほしい。ピーク電力への対応に優れている石油を使用することは「石油の有効利用」に資する。当然のことながら、天然ガスの世界消費量が増加すれば、枯渇年数が減少する訳だから、どちらかが突然手に入らなくなっても対応できる体制は社会構造上望ましいことと言えるであろう。


大阪ガスのプレスリリースは
http://www.osakagas.co.jp/company/press/pr_2010/1189172_2408.html





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posted by 鈴木零号 at 16:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 環境・新エネ・省エネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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