2009年10月10日

民主党の暫定税率廃止は良策

ガソリン税などの暫定税率廃止は、民主党には珍しく、良い政策である。高速道路無料化には反対だが、こちらは意義が大きい。昨年には一旦期限切れになったにもかかわらず、宮崎県の東国原知事は一部事実を隠蔽して復活に貢献した。必要な道路があるのは分かるが、だからと言って無駄な道路まで作ることを許容した覚えはない。地方経済に貢献すると言っても、大手ゼネコンの中抜きを論じなければ片手落ちである。この欺瞞こそ、日本を蝕む悪しき慣習の象徴だと考えて間違いなかろう。


道路特定財源は誰のものか
そもそも道路特定財源というものは、高速道路などの幹線道路を建設・維持し、いずれ無料化するために作られたもの。受益者負担の原則に基づいて、自動車ユーザーに利するため、また、公共投資を円滑に進めるための良策であった。しかし、オイルショックの煽りを受けて、石油を節約する観点から、2倍もの税金を課す暫定税率なるものが浮上。暫定というくらいだから、石油を節約しないで良い状況に好転すれば、再び戻すという約束になる訳だが、どういう訳か40年近く放置されることになる。ここまでくれば暫定税率という言葉も皮肉にしか聞こえないが、要するに40年かけても解決できない、解決する気もなかったと言わざるを得ない。というのは、これほど国民の反対がなく、手軽に税金を徴収できる制度を、行政の権力者側が手放したくなかったからである。はたまた、消費税によって税金に税金をかけるというタックスオンタックス(二重課税)まで放置する始末。いったいどれ位の額が政治家と官僚にこれまで中抜きされてきたのか。税金ありきの発想こそ、国民に重税を課す発端となっている。お金を使い切ることが大事なのではなく、これが必要だから予算を注ぎ込むことこそ、本来あるべき姿ではなかろうか。年末の道路集中工事によって、道路を掘り起こし、税金を使い切ろうとする無駄な姿を、我々は目の当たりにしてきている筈である。はっきり言って国民は舐められている。

国の徴収システムにも問題がある。ガソリン税は国税なので、どうしても中央に権力が集中しやすい。予算配分権は中央が握っている訳だから、地方は頭が上がらない。東国原の行動は、まさにその最たるもの。ガソリン税の問題、道路審議会のあり方など根本的な問題にメスが入らず、悪しき慣習を引きずることとなる。これこそ本末転倒であろう。そう考えれば、公共事業の無駄廃止、暫定税率の廃止、随意契約の廃止など、民主党が指摘していることの方こそ、正論だと断言できよう。

道路特定財源が一般財源化されたことは、大きな問題であった。つまり、受益者負担の原則が崩れたのであり、税徴収の根拠がなくなった。まさにアナーキー極まる。どうしてこうなってしまったのかを考えると、自民党をはじめ行政機関が予算の使い方を開示してこなかったところに原因がある。当時野党だった民主党は、税根拠を示せと随分いじめられてきた。自民党や官省庁が重要な予算の使途を出さない一方で、税源を示せと叩く。評論家の三宅先生が今年の政権交代前になって、か細い声でようやく指摘するようにはなったが、マスコミはじめ多くの有識者が声高に叫ばなかったのはアンフェアというものであろう。困った民主党により手っ取り早く無駄な財源に目をつけたのが道路特定財源であった。1年間で6兆円にも及ぶ巨額予算なのだから、ここから1兆円近くの財源を捻出できると考えた訳だ。これは愚策なのだが、あろうことか自民党まで賛成してしまうという愚かぶりを国民に示すこととなる。そのことに批判の声を挙げる者は少ない。この国の政党に「まとも」という言葉は存在しないのかもしれない。


日本を元気にすることが急務
CO2削減をめぐっては、様々なご意見があることは重々承知しているが、ここでは議論をごちゃ混ぜにしない方が賢明であろう。道路特定財源を健全化することこそ、大事なポイントである。また、建設業界を見ても、歪な重層構造、いわゆる中抜きシステム(6〜7社が間に入ること当たり前)は問題だ。大手ゼネコンに発注するよりも、地方の建設業者に直接発注する方が遥かに地方は潤う。そうであってこそ、大手ゼネコンの地位を脅かす競争会社が台頭するというもので、健全な社会であろう。だが、残念ながら、偏った平等論などを持ち出され、強き者の圧力に屈し、一緒に利権を貪るという有様。まさに、水は低きところへ流れるかの如くだ。税金の使い方によって、社会の活力は全然違ったものになる。そうやって頑張った官僚(中小主義政策)や政治家(故渡辺美智雄氏など)もいたが、これは企業はもちろんのこと、官僚内部からも相当抵抗があって、やがて淘汰されていった。
税金にぶら下がってようやく成立するという産業構造は、もはや時代遅れであり、転換すべきだと国民含めて自覚するべきだ。そのためには、これまで道路財源にぶら下がってきた人材を適材適所に振り分けなければならない。ここは経産省の仕事だ。昔はそんなこともなかったのだが、残念なことに今時点を見る限り、一度出来上がってしまったシステムを見直す勇気がこの国にはない。税金を使って、新たな産業を育成する気もなければ、問題を先送りにしたままで道路特定財源を手放す気もない。これが暫定税率を40年近くも放置した実情とみて、間違いなかろう。


高速道路の土日1000円、無料化はどちらも愚策である。程度の差こそあれ、自民と民主のどちらも駄目。この議論は別の機会に書くこととする。暫定税率を廃止することによって、低賃金で重労働を課せられている、疲弊し切った日本の物流が息を吹き返せる。私は自動車に乗らないが、自動車ユーザーにとっても有難い話。また、食品、日用品などの商品が我々の手元に届くには物流が欠かせない。企業のみならず、国民の生活にもたらす波及効果は大きいと知れ。今は日本の企業を元気にすることが大事なのであり、一部大手企業を太らすことが大事な訳ではない。大手企業を利することばかりやってきた、これまでの論理など聞きたくもない。





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posted by 鈴木零号 at 10:29 | Comment(0) | TrackBack(0) | 特集 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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