2009年05月21日

CO2削減めぐり産業界と政府の意見分かれる

温暖化ガス削減 中期目標、着地点見えず
政府への意見 「4%増」「25%減」二分
(日本経済新聞5月21日朝刊5面)

日本経済新聞によると、温暖化ガス排出削減の中期目標を決める6月が迫り、大幅な削減を訴える声と、経済への影響を考慮して小幅な削減にとどめるよう求める声で真っ二つに割れているとのこと。政府が4月から6回開いた意見交換会では、7割程度が4%増を支持、2〜3割は25%減を訴えたという。発言者は産業界と環境NGO(非政府組織)関係者が多いとみられており、三菱総研の橋本堅主任研究員は「一般市民の声を吸い上げられていないのではないか」とし、運営の改善余地を指摘している。
日本経団連の御手洗冨士夫会長が「(4%増が)合理的だ」と11日の記者会見で表明すると、斉藤鉄夫環境相が「世界の笑いものになる」とかみつき、14日には「日本が低炭素社会実現の旗振り役になるには、野心的な目標設定が必要」と麻生首相に進言したという。経済同友会は18日、90年比7%減らす案が妥当との見解を示したが、国際公平性の確保や主要排出国のポスト京都への参加を条件にした。政府は今週末にも首相直轄の地球温暖化問題に関する懇談会を開催。麻生首相が参加者から直接意見を聞くとのこと。

CO2削減、途上国は国連に計画登録 国際枠組み原案
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai
/20090520AT3S2000M20052009.html
(日本経済新聞5月20日夕刊2面)

昨日の日経夕刊には、国連気候変動枠組み条約事務局は20日までに、2013年以降の温暖化対策の国際枠組み(ポスト京都議定書)の原案を公表したという。年末に交渉期限を迎えるポスト京都のたたき台となり、6月1日からボンで開く作業部会で本格的に議論を始める見通し。
新興・途上国には温暖化ガス削減に向けた自主的な行動計画を作り、国連に登録を求める。計画の内容は、先進国の資金・技術支援に依存すると明記し、先進国の支援が不可欠との認識をにじませたとのこと。これに対し、先進国には強制力のある排出削減の総量目標を設定し、主導的な役割を果たす必要があると明記。


臆せず物申した石油業界をはじめ産業界に拍手をおくりたい。90年比という意味不明な「基準年」が国際標準ルールでは、公平で恒久的な枠組みだとはお世辞にも言えない。これなら90年までに温室効果ガスを大量に排出していれば有利になり、先に取り組んでいた国が結局馬鹿をみるというものでしかない。また、削減義務に対して反発し、ダダをこねた国が有利になるというのはいかがなものか。可笑しなルールが世界でまかり通ることこそ、滑稽なことはなかろう。温室効果ガスのほとんどを占めるCO2排出量シェアを2006年でみてみると、米国と中国が20%、EU15カ国が12%、ロシアが6%、日本とインドが4%。日本はロシアよりもはるかに厳しい削減義務を背負わされている。
国連気候変動枠組み条約事務局が中国やインドなど新興国に自主行動計画を作成・登録させ、先進国に資金・技術で支援させるというのも、決して納得のいくものではない。中国やインドはバンバン電力を消費し、製品を生産し、CO2を大量に排出するけど、その尻拭いは先進国がしろと言いたいのか。
GDPに見合った排出量率を設定し、それを上回らないよう義務化するのが最もシンプルで公平のように思える。IEA統計から産出した各国のGDP単位当たりの一次エネルギー供給量は2005年で日本が1として、EUが1.9、米国が2.0、豪州が2.4、カナダが3.1、韓国が3.2、タイが6.0、中東が6.0、インドが7.9、中国が8.6、ロシアが17.4。世界で主張されていることがいつも正しい訳ではない。言うまでもなく、地球温暖化問題は世界共通の問題であり、人類の永続を脅かす問題である訳だから、日本も国を挙げて率先して取り組むべき問題ではある。だが、だからこそ公平で恒久的な国際ルール作りが今必要なのであろう。これまで十分に削減してきた日本にとって、環境対策の追加コストは他国と比べても高い。ただでさえ日本はコスト競争力の面で弱いのに、訳の分からん論理で割り高なコスト負担を求められたら堪らない。政府は主要産業に海外へ転出しろと言いたいのか。削減義務のない中国などの国へ進出し、CO2も一緒に生産するというやり方で、地球温暖化問題が解決する訳でもない。先進国だけが削減すれば良いという問題ではなく、削減義務を負わない国には貿易の制限をも辞さない覚悟で世界は国際ルール作りに励むべきではなかろうか。





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posted by 鈴木零号 at 14:11 | Comment(0) | TrackBack(0) | 環境・新エネ・省エネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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