2014年01月02日

廣瀬EMG社長「コア事業の強化へ」A

【原油調達について】
―原油自主調達はすでに100%だが、それまでの経緯と現在の取引状況は?
エクソンモービルからの事業移管に際して我々の最大の心配事は、フィードストックの調達と安定供給の部分だった。我々は、原油や製品の輸出入について、これまではエクソンモービルの傘の中で全てがリクワイアメントに基づき与えられてきた長い歴史がある。それが初めて産油国などとの直接契約やスポット原油など現時点では直接接取引を行うまでになった。原油を例に挙げると、中東の原油をメインにしつつも、中東以外の他の地域とも取引している。エクソンモービル時代からも実は色々と引き取ってきてはいるが、それを継続して間口を広げることが出来ている。このことは、最適な原油を取るということだけでなく、中東での万一の有事が発生した場合でも、他から調達してすぐに精製する緊急時の備えが出来たということだ。


【石油製品の輸出について】
―輸出の取り組み状況はどうか?
石油製品の輸出入も原油同様にシンガポール事務所を中心に100%東燃ゼネラルグループで現在行える体制になった。とくに製品輸出は、内需が伸び悩む昨今の状況にもかかわらず、昨年は1年間を通じてマーケットをよく見ながら積極的に海外の販路を拡大した。現在、我々の生産分の20%超はシンガポールの事務所を通じて海外マーケットに販売している。油種別でもこれまでの製品輸出は中間留分が中心だったが、昨年からは新たに最終商品であるガソリンの輸出もいよいよ本格化した。例えば、豪州や北米に加え、韓国などの近隣諸国への輸出もスタートした。順調にその取引量は増え、国内だけではなく海外の様々なマーケットの販売チャネルを開拓することが出来ている。これは大きな収穫だった。ただ、我々はエクソンモービルとの関係が全く切れてしまったわけではなく、引き続きエクソンモービルとの協力関係という枠組みは保持している。我々にとっては日本のマーケットへの安定供給こそが至上命題だ。万が一、何か不測の事態が生じた際にも、代替となる安定した供給ソースを持ちながら自分たちでの自主調達も可能な能力がついたということだ。その意味でエクソンとの関係を継続していく方針は変わらない。

―石油製品の輸出はどれ位の量になるのか?また、スペック調整などの対応状況は?
2013年の1〜9月の我々の全販売数量に占める輸出比率は22%であり、同期間での具体的なトータル輸出量は490万KLだ。そのほとんどは中間留分となっている。直近ではガソリンもかなりトレンドアップしてきている。従来までは各国のスペックが異なるため、なかなかミートできなかったが、それ相応の手間と時間をかければ最終製品のガソリンとして輸出可能になる。輸出は豪州や韓国に加え、香港にはもともとプレミアムガソリンでも輸出していた。スペックは積み地かあるいは揚げ地で調整するという選択になるが、基本は積み地で作った段階で合わせる方が販売のオプションも増える。スペックの基準が違う場合にはブレンドし、いろいろと調合を変えて現地スペックにミートさせる。現地のスペックに合わせるのは確かにハードルが高い面もあるが、仕様を全部変えなければいけないわけではない。例えば、ベースとなるオクタン価や色などは調整できるが、その他の細かいスペックは日本仕様のものが微妙にオーバースペックだったり、あるいは不足していたりするために調整が必要となる。今のところは、仕向け地がインポートマーケットである限り、国内市況と比べても比較的安定している。面白いのは、我々は北半球にいるので、豪州などサウスバウンドは南半球のために需要パターンが逆になることだ。こちらの冬場では普通、ガソリンを売りにくいが、南半球ではピークシーズンとなる。この逆の需要パターンが収益を補完してくれる面もある。

―1〜9月の製品輸出量が490万KLということだが、年度で換算するとどれ位の見通しか?
恐らく、第4四半期は1〜9月のペースないしはそれ以上になるとみている。マーケットも安定しており、意識して供給部隊に積極的な輸出を指示していることがその理由だ。ただ、桟橋が無く、タンクが簡単には増やせないところもある。タンクには売れる製品を常時貯蔵しているが、特殊なスペックの製品はデリケートでコストもかかる。2014年以降、我々が掲げるコアビジネス方針の中にはオフサイトへのインフラ投資を組み込んでいる。これにより、国内に加えて海外での投資も立ち上がってくるため、より輸出能力は上がるだろう。もっともマーケットからの需要が大前提にはなるわけだが。

―輸出の場合、円安の影響が大きいと思うが。
我々の輸出はドルベースであり、原油代をドルで払っている。当然、国内であれば経費はドルに直した時に値上がりしたが、その分を差し置いても原材料費も輸出もドルなのでそれほどダイレクトには効いてこない。ただ、あまりにも円安に振れると経費部分が膨らむ。非常に面白い現象が一つある。当然ながら製品輸出は中国含む成長著しい東南アジア向けが増えているが、それ以上に増えているのがいわゆるサウスバウンドと称する豪州向けという事実だ。現地の競争はあまりにも熾烈でエクソンモービル含め、製油所が相次いで閉鎖している。とくに居住者の多い東海岸は早くもインポートマーケットの様相を呈している。こうした状況は数年前までは想像も出来なかった。製油所はどんどん閉鎖し続け、シンガポールからの輸入だけではとても足りずに日本からのサウスバウンド向けが急増している。これは、米国西海岸と同じような逆転現象だと言えるだろう。この状況がいつまで続くのかは不明だが、製油所の大半は潰れてターミナルに変わるなどモデルが変わりつつある。我々は、このエリアをある程度は安定的な製品の輸出先として確保していきたい。(※明日に続く)


(櫻田光治)


posted by cherry at 00:13 | Comment(0) | TrackBack(0) | 石油関連 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする


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